咳の続く方
長引く咳にご注意ください
喘息・アレルギー性咳嗽などの可能性があります
「とくに誘因がないのに、咳が長引く」「風邪を引いた後、2ヶ月以上、咳が続いている」というような場合には、お早めに川西市の富山医院へご相談ください。
呼吸器内科・呼吸器専門医による適切な診査・診断により、症状の奥に隠れている疾患の発見に努めます。
咳が長引く場合、咳喘息やアトピー咳嗽、後鼻漏や逆流性食道炎などが原因であることも多いですが、肺がんや肺結核などの進行性の疾患が原因で症状が現れている場合もありますので、まずはそうした疾患を鑑別するためのレントゲン検査や血液検査などを入口に、各種検査で最適な治療に結びつけていきます。
咳が長引く方には呼気NO濃度検査
呼気NO濃度検査とは呼気中の一酸化窒素(NO)の濃度を測定する検査で、咳が長引く方にはこちらの検査の受診をおすすめしています。
検査の結果、呼気中のNO値が非常に高いということになれば、気道の好酸球性炎症が元で咳が続いていると考えられ、慢性の咳の原因で非常に多い咳喘息(気管・気管支での慢性的な炎症による咳が出る状態)の診断にも有効です。
咳喘息が続くと気管支喘息へ移行する恐れがありますので、長引く咳はそのままにせずに、お早めに当院へご相談いただくことをおすすめします。
2週間以上咳が続くようなら胸部レントゲン撮影
咳は持続期間により、3週間未満の急性咳嗽、3週間以上8週間未満の遷延性咳嗽、8週間以上の慢性咳嗽に分類されます。急性咳嗽の原因の多くは、風邪などの気道の感染症であり、持続期間が長くなるにつれて感染症の頻度は低下していきます。 咳はほぼ全ての呼吸器疾患が原因になり得ますが、肺がんや肺結核、間質性肺炎など、重症化する可能性のある疾患の除外のため、咳が2週間以上持続する場合は、まず胸部レントゲン写真を撮影することをお勧めします。(呼吸困難や胸痛を伴う場合は、発症後数日以内でも、早期に受診する必要があります。)
咳が長引く時に考えられる疾患
咳喘息
咳喘息は、喘鳴や呼吸困難を伴わない咳だけを症状とする喘息で、慢性咳嗽の原因として我が国では最も頻度が高いとされています。咳症状は夜間~早朝に悪化しやすいとされ、季節により症状に差が見られることも多いです。 咳喘息では、数年のうちに約30%の患者が喘息を発症するため、吸入ステロイド薬による維持療法を2年程度実施することが推奨されています。
アトピー咳嗽
アトピー咳嗽は、アトピー素因を有する中年女性に多い、喉のイガイガ感を伴う空咳で、気道壁表層の咳受容体の感受性の亢進が基本病態であるとされています。 咳は就寝時、深夜から早朝、起床時に多いとされ、エアコン、受動喫煙を含むたばこの煙、会話(電話)、運動、精神的緊張などが引き金になるとされています。 アトピー咳嗽は、花粉症などのアレルギー疾患の治療に用いられるヒスタミンH1受容体拮抗薬の内服や、吸入および内服のステロイド薬が有効で、咳が軽快すれば治療は中止可能です。
慢性気管支炎
細菌やウイルスの感染により肺胞という部位で炎症が起こる疾患です。
激しい咳のほか、高熱や呼吸時の「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という異音がしたりします。
症状は風邪と似ていますが、咳が長引いたり、呼吸が苦しかったりする時は、肺炎の可能性がありますのでお早めにご連絡ください。
肺がん
空気の通り道である気管、気管支、肺胞までの上皮細胞から発生した悪性腫瘍(がん)を原発性肺がんといいます。早期の肺がんは無症状のことも多いですが、気管や気管支にできた肺がんは咳や痰、血痰などの症状を伴うこともあります。また、肺がんが進行して胸水がたまると、咳や息苦しさが出現することがあります。
肺結核
肺結核は結核菌による感染症で、わが国では依然として先進国の中では罹患率は高く、2週間以上長引く咳に加えて、発熱、体重減少や寝汗などの全身症状、さらに喀痰の増加や血痰の出現を伴う場合は、肺結核の可能性がありますので、お早めにご相談ください。。
その他
咳はほぼ全ての呼吸器疾患が原因になり得るため、呼吸器感染症、間質性肺疾患、アレルギー性肺疾患、悪性腫瘍など、あらゆる呼吸器疾患を念頭に置いて診察を行う必要があります。胸部レントゲンやCT,喀痰検査や血液検査などでできる限り早く診断を行い、疾患に応じて高次医療機関に紹介し、速やかな治療開始に導きたいと考えています。