息を吸ったり吐いたりした時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった笛のような音が聞こえる症状を「喘鳴」と呼びます。喘鳴は気管支や気道の狭窄によって起こるもので、軽度のものは一時的ですが、放置すると呼吸困難や発作につながる可能性があるため注意が必要です。
喘鳴とは
喘鳴は、狭くなった気管や気管支を空気が通過する際に発生する異常な呼吸音です。
「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音が特徴で、特に気管支喘息や異物誤飲などが起こった際に見られます。
喘鳴自体が大きな病気というものではありませんが、喘鳴発作時には痰が増え、気道を塞ぐことにより呼吸困難を引き起こす場合があります。
喘鳴の症状の特徴
喘鳴の音は連続的に聞こえることが多く、息を吸うときだけでなく吐くときにも発生します。
軽度の場合は短時間で収まることがありますが、発作が重なると呼吸がしにくくなり、生活に支障をきたすこともあります。
喘鳴がひどい方は咳や痰の増加、胸の圧迫感などの症状を伴うこともあり、これらの症状を総合的に判断することで原因や隠れた疾患を特定することができるでしょう。
喘鳴を引き起こす原因
結論から言うと、喘鳴は気管や気管支の狭窄により発生します。
主な原因には気管支喘息、アレルギー反応、環境要因、感染症などがあります。
原因を特定することで、適切な治療や発作予防が可能になるでしょう。
気管支喘息
気管支喘息は、慢性的な炎症により気道が敏感になり、わずかな刺激でも収縮する疾患です。
発作時には気道が狭くなり、喘鳴や呼吸困難、咳が現れます。
夜間から朝方に発作が起こることが多く、アレルギーや小児喘息の既往、喫煙歴、ペットの有無、職場環境などが発症に影響します。
症状が重い場合は、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
アレルギーや環境因子
ダニやハウスダスト、花粉、ペットの毛などのアレルギー物質が原因で喘鳴が起こることがあります。
アレルギー反応によって気道が腫れて狭くなり、呼吸音が異常になります。
問診やアレルギー検査により、アレルゲンの特定と対策が可能です。
感染症や異物誤飲
風邪や気管支炎などの感染症でも、気道が炎症を起こすことで喘鳴が生じることがあります。
また、小さな子どもでは異物誤飲によって気道が塞がれ、突然喘鳴が現れることがあります。
喘鳴の診断方法
喘鳴の原因を特定するためには、問診や呼吸音の聴診、X線やCT検査、呼吸機能検査などを組み合わせて総合的に診断します。
原因に応じて、アレルギー検査や喀痰検査、気道過敏性検査も行われます。
問診と聴診
まずは症状の経過、発作の時間帯、環境要因や既往歴を確認します。
聴診器で呼吸音を聞くことで、気道の狭窄の程度や異常音の種類を把握します。
こうした検査によって、気管支喘息や感染症などの可能性を絞り込むことができます。
画像検査と呼吸機能検査
胸部X線やCTを撮影して肺や気道の状態を確認します。
呼吸機能検査では肺活量や一秒率を測定し、気道の閉塞や呼吸の効率を評価します。
必要に応じて、喀痰検査や吸入誘発テストを行い、アレルギーや感染症の有無を確認することもあります。
喘鳴の治療法
喘鳴の治療は、発作を防ぐ長期管理薬と、発作時に症状を和らげる応急処置薬の組み合わせで行います。
症状や状態に合わせて処方を調整し、適切なコントロールを維持することが重要です。
コントローラーとリリーバー
コントローラーは長期的に服用して気道の炎症を抑え、発作を予防します。
リリーバーは発作時に吸入することで気道を広げ、呼吸を楽にします。
医師の指示に従い、症状に応じて薬を調整することで、日常生活を支障なく過ごすことが可能となりますので、しっかり治療していきましょう。
生活習慣での予防
日常生活では、ハウスダストを減らす掃除、室内湿度の維持、睡眠と休養、ストレス管理が重要です。
禁煙や禁酒も呼吸器の健康を守る上で有効です。
また、ピークフローメーターを使い、呼吸機能を自宅で測定することで、発作の早期発見と対応につなげられます。
喘鳴が示す可能性のある病気
喘鳴は単なる一過性の症状で終わる場合もありますが、気管支喘息以外にも心臓の不調や肺炎、肺結核、肺塞栓症などの病気が潜んでいる場合があります。症状が続く場合は、専門医の診断を受けるようにしましょう。





